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ヨウ素とは?

ヨウ素は原子番号53、第17族ハロゲン元素に属する非鉄金属元素で、ハロゲン元素の中では唯一、常温で固体の元素です。常温では暗紫色の金属光沢をもつ鱗片状結晶で、固体から液体を通らず直接気体へと昇華します。その蒸気は紫色で、特異な臭気を持っています。

殺菌剤やレントゲン造影剤などで利用される

「ヨウ素」という名前には馴染みがなくても、「ヨード」という別名ではピンと来る方が多いかもしれません。古くからヨードチンキに代表される殺菌剤やレントゲン造影剤など、身近なところで利用されてきました。

ヨウ素は殺菌効果、包接性、X線吸収能力、触媒的作用、優れた反応性、大きな分散力など、
特有な性質を持っており、将来に期待の持てる素材として注目されています。

甲状腺ホルモン図
うがい薬図
血管図
光制御
生理活性
(甲状腺ホルモン)
抗菌・抗ウイルス作用
X線吸収能
光制御
導電性付与
リビング重合
高反応性
放射性同位体
人体図
ヨウ素添加の食塩 イラスト
▲ヨウ素添加の食塩
また、ヨウ素は哺乳類にとって必須の元素で、私たちの体の中にも存在し、健康な体の維持に無くてはならない元素です。

脊椎動物の体内でヨウ素は成長や基礎代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの合成に使われ、ヨウ素が不足すると甲状腺腫などのヨウ素(ヨード)欠乏症といわれる重大な病気になることもあります。

海藻や魚介類などヨウ素を多く含んだ食品を摂取する機会の多い日本ではヨウ素が不足することはほとんど皆無ですが、大陸内陸部ではヨウ素欠乏症に苦しむ人々が多く、その予防策として食塩にヨウ素を添加するよう義務付けられている国もあります。