千葉県を中心に広がる南関東地域の水溶性天然ガス鉱床は、“南関東ガス田”と呼ばれ、わが国の水溶性天然ガス生産量の90%を占め生産量、埋蔵量共に国内で最大の規模を誇る重要な地下資源です。 天然ガスの産業への利用は昭和10年から開始され、当社は昭和9年大多喜町で天然ガスかん水からのヨウ素生産から開始しました。その後1960年頃までに相次いで天然ガス企業が立地され、現在千葉県内で9社が活動しています。
歴史的に天然ガスの需要は、この地区の純度の高い天然ガスが昭和35〜45年に電気機械工業用真空管の製造に利用されたことから始まり、1960年頃には石油化学と並立して天然ガス化学工業がこの地区に興り、天然ガス需要が飛躍的に増加しました。しかし1970年以降に都市ガス需要へシフトし現在に至っています。

九十九里地域の水溶性天然ガスは、比較的浅い堆積層である帯水層中に静水圧の下で溶解しています。メタンガスが主成分(99%以上)で、腐食性ガスや有毒なガスを含まない良質な天
然ガスです。組成も安定しており工業原料また燃料用として有用なクリーンエネルギーです。メタンガスは無味無臭の気体で比重は空気の約半分と小さく拡散性があり、空気中でよく燃え淡青色の炎を発します。

現在当社の天然ガスの用途は、都市ガス用が81.6%、工業用が17.0%、その他1.4%となっています。2005年のこの地区で生産される水溶性天然ガスの生産量は年間4.75億Sm3で、その内当社は24%を占めます。
※Sm3:標準状態(15.6℃、1気圧の、水蒸気で飽和された状態)での体積を表します

坑井から汲み上げられた天然ガスとかん水は、地上のセパレータ(分離槽)で分離された後、天然ガスは圧縮機を用いて目的別に供給され、かん水はヨウ素工場に送られヨウ素の製造原料になります。当社の生産基地には、リフト用圧縮機、送ガス機器、送水ポンプ、ガスとかん水を分離する分離槽、集水池、ガス中の水分を除去するデミスタや除湿装置、そして送ガス、送水のためのパイプライン等の設備が設置されております。ガス安定供給のため、昭和51年からコンピュータを導入して遠隔監視制御を実施し、現在ではすべての送ガスプラントを網羅し、坑井(天然ガスを生産する井戸)から、パイプライン及びガスホルダーを通じて、供給先まで安全かつ確実に天然ガスを輸送します。
お客様までの送ガスパイプラインは低圧ライン、中圧ラインで運用し約185kmに達しています。また、平成8年に完成した容積10,000m3の球形ガスホルダーは、民生用ガスの需要変動に対応するための安定供給に対応します。


