ヨウ素と天然ガス 〜ヨウ素・天然ガスその誕生から生産方法まで。〜

ヨウ素鉱床と天然ガス鉱床の成因についてはまだ定説がなく、様々な説がありますがその中には次のような説もあります。
ヨウ素を濃集する海藻や他の生物は海岸近くに生息していても、海流や沿岸流に乗り生息地とは離れたところに移動すると考えられています。それが他のプランクトンや小動物等に食され分散して死骸となり海洋底に堆積します。また陸域近くの大陸棚斜面には陸域からの有機物が砂泥とともに流れ込みバクテリアやアーケヤ等の微生物に分解され様々な形でメタンガス等に移行していくと考えられています。その有機体やバクテリア等によりヨウ素が海洋底にたまってその上位に厚い堆積物が積もることで分散することなくメタンガス及びヨウ素が保存されたのではという説です。その説から推察すると日本やインドネシア、アメリカ以外にもヨウ素や天然ガスを含む地層がある可能性はあるのではと考えられています。
またガスハイドレートも世界の各地で発見され注目されていますが、あるハイドレートの上下位に多くのヨウ素が含まれていたという報告があり、今後の調査が待たれるところです。

当社がヨウ素と天然ガスを生産しているのは千葉県の外房地域ですが、千葉県中部以北を含む南関東地域の地下には、ヨウ素と天然ガスを多く含んでいる地層が胚胎しています。その地層は上総層群という名前で呼ばれている約240万年から60万年前に1000m近い深い海の中で砂や泥そして火山灰が堆積したものです。これらの地層は陸域から運ばれた有機物を含む砂層と泥層(実際は泥より少し粗いシルトと呼ばれるもの)から出来ています。その厚さは多くが1mにも満たないものが多く地上に出ている露頭をみると砂層と泥層がシマウマのような模様を示しています。

 

ヨウ素はどんなものにたくさん含まれているのでしょうか?貝類、海藻、珊瑚、カキ等の海に生息するものに比較的多く含まれています。(ただし人間の体内にも多くのヨウ素が含まれていますが)そのためかつては海藻類を燃やした海藻灰からヨウ素を生産していましたが現在のヨウ素生産量に比べるにはあまりに少量でした。その後ヨウ素生産量を飛躍的にのばした鉱床が相次いで発見されました。鉱床とはある物質が濃集し経済的に採掘できるものの事を指します。その鉱

床はカリチェに濃集したものと地下かん水に濃集する鉱床です。前者はかつて窒素肥料原料として採掘されていたチリ硝石の鉱床であるカリチェからのものです。カリチェのある地域はアンデス山脈の麓の雨が全く降らない砂漠地帯です。


でもカリチェのヨウ素鉱床は最初からヨウ素資源に注目して開発されたのではなく1868年に硝石製造の廃液からヨウ素も回収するようになった副産物としての登場が始まりです。現在では世界の生産の60%の産出をしている世界最大のヨウ素産出地域です。
もう一つのタイプの地下かん水タイプは前出の南関東地域の地下の地層中の化石海水のかん水から製造しているものです。かん水から最初にヨウ素が見いだされたのは1868年に現在のインドネシア国のジャワ島スラバヤで、その鉱泉水にヨウ素が大量に含まれることが発見され開発が始まったのです。日本では昭和9年に当社が千葉県の大多喜町で生産を始め、現在では日本が主要なかん水からのヨウ素産出国ですが、ほかにもアメリカ、インドネシアでも開発が行われています。

 

この南関東ガス田などでは、天然ガスを採取する時の随伴かん水から、ヨウ素が生産されています。このヨウ素も貴重な国家資源として私たちの生活、日本の産業に欠かせないものになっています。

千葉のヨウ素と天然ガスは砂・泥の地層に含まれますがその地層が地表近くの水の影響を受けていない深さが、おおよそ数百m以下となるので坑井を数百mから二千mほど掘削します。塩分濃度とヨウ素濃度がある程度相関しているため、電気検層で比抵抗値(電気の通り易さ)の小さなところで砂層の発達したところを決め井戸を仕上げると天然ガスとヨウ素をポンプやガスリフトにより採取できます。水に溶けるガス量はせいぜい水1に対し2.5程度であるのに対し茂原市付近では水溶性天然ガスとは言えないほどのガスが産出しており、その水とガスの比が高いところでは30を越すところもあります。

このメタンガスは、比較的浅い所の堆積層である帯水層中に静水圧の下で溶解しているものです。ガスの溶解した水を地表にもたらすと減圧のためガスが分離され、ガスは容易に採取することができます。またかん水は特にヨウ素イオン濃度が高くヨウ素を回収することができます。

 

全国には千葉以外にも東京や沖縄、宮崎、新潟、北海道に水溶性天然ガス田があります。まだまだ世界にも多くの未開発水溶性天然ガス鉱床は存在する可能性は高いと考えています。大昔の生物の母である海の中でヨウ素天然ガスが生まれ育つことを想像し貴重なクリーンエネルギー、医療や工業に非常に重要な元素であるヨウ素の開発に今後も当社は挑戦していきます。

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