高吸水性樹脂の制御ラジカル重合に適した有機ヨウ素化合物の工業化に成功

2018年05月31日

当社は、三洋化成工業株式会社の連結子会社であるSDPグローバル株式会社と共同で、紙おむつなどの衛生材料に使用される高吸水性樹脂(SAP)の制御ラジカル重合を用いた新たな製造法を確立し、本製造の制御剤として用いる有機ヨウ素化合物の工業化に成功しました。

精密重合法の一つである制御ラジカル重合は、従来のラジカル重合に比較しポリマーの分子量や、分子構造を精密に制御できる技術であり、様々な構造特性を有する機能性ポリマーの製造法として期待されています。このため種々の方法が開発されてきましたが、制御剤に由来する実用上の問題点があり、実用化例は未だに限定されたものしかありませんでした。当社ではこれらの問題点をクリアし、かつ高い制御能を有する有機ヨウ素化合物の開発に取り組んでまいりました。
一方、SAPの主要メーカーであるSDPグローバル株式会社は、従来のフリーラジカル重合での製造法により発生するSAPの網目構造の不均一性に着目し、この均一化を図ることで吸水性能の向上を目指していました。網目構造の不均一性を発生させる原因として考えられる副反応や分子量分布の広範化を抑制する方法として制御ラジカル重合が考えられましたが、架橋重合や水中重合への適用例は少なく、また、低毒性で臭気や着色がなく、かつ安価に工業化できる手法が求められました。
これらの課題を克服するため、両社は共同でSAP製造に最適な制御能を有する有機ヨウ素化合物の探索を行った結果、図に示す設計指針に従い最適な化合物を見出すことができ、新しい制御ラジカル重合技術によるSAPの高機能化及び工業化に成功しました。当社ではこの有機ヨウ素化合物の工業的製造法を確立し、製品化を果たしました。この化合物を用いる制御ラジカル重合法は毒性の高い重金属触媒が不要となることから、今後更に多くの分野での応用が期待されます。

img20180531_SAPs.png

図.ヨウ素化合物の設計指針

当社では、シンガポール・南洋理工大学の後藤准教授との共同研究を実施しており、後藤准教授が開発された有機触媒を用いた制御ラジカル重合に適した重合開始剤(有機ヨウ素系重合開始剤)の開発を進めています。今後はこれらの化合物の量産化を順次実現し、お客様の御要望に応じた新しい有機ヨウ素化合物の開発・製品化を進めていく予定です。

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