ヨウ素の知識

ヨウ素の起源

元素としてのヨウ素は1811年にフランスの硝石業者であるクールトアによって海藻の中から発見されました。硝石は海藻を焼いた灰から生産されていたからです。クールトアは海藻灰の抽出液に酸を加えると発生する刺激臭のある気体に注目しました。それを冷やすと黒紫色の結晶となることを見つけました。
2年後の1813年、フランスのゲイリュサックの研究で、この物質が新しい元素であることが確認されました。
この元素を瓶に入れておくと紫色の気体がたちこめることから、元素の名前をギリシャ語の紫(iodestos)から『Iode』と命名されました。日本語の「ヨード・ヨウ素」はドイツ語の『Jod(ヨード)』に由来しています。

クリーンエネルギー「天然ガス」

ヨウ素はX線吸収能力、触媒的作用、優れた導電性、反応性など、その独特な性質により、将来に期待の持てる素材として注目されています。

化学的には塩素や臭素などと同じ種類のハロゲン族に属します。常温で暗紫色の金属光沢をもつ鱗片状結晶で、固体から液体を通らず直接気体へと昇華します。その蒸気は紫色で、特異な臭気を持っています。大気や土壌、海水、雨水、河川水など私たちの周囲にも存在し、コンブなどの海藻類に多く含まれています。

動物や植物にとって必須の元素で、私たちの体の中にも存在しています。成長や発育、知能の発達と深い関わりのある甲状腺に集まり、ヨウ素の不足などで甲状腺機能亢進症などの重大な病気になることもあります。1日の必要量は100〜150μgといわれ、私たちの健康な体の維持には、なくてはならない元素です。

 私たちの生活を支える「ヨウ素」

ヨウ素はさまざまにカタチを変えて、私たちの生活を支えています。ふだんの暮らしの中で使用している携帯電話やパソコン、液晶テレビの画面に画像を結ぶための偏光フィルム。レントゲン撮影に使う血管造影剤などの医療分野、ポビヨンヨードはヨウ素の殺菌・消毒作用を利用したもので傷の手当に使った人もいるでしょう。また、ヨウ素は人にとっての必須元素で甲状腺ホルモンの機能に重要な役割を果たしています。欧米では食塩にヨウ素を添加することが規定されています。ヨード卵はヨウ素成分を含む飼料を食べた鶏の卵です。さらにヨウ素は産業分野にも欠かすことができません。レーザーや導電性ガラス、太陽電池などその用途は将来に向けて開かれています。

原子番号“53”、元素記号“I”は、まだまだ未知の可能性を秘めた元素でもあります。そんな貴重な資源であるヨウ素、その世界で生産量の約35%が日本で、またその多くが千葉県で産出されています。そして日本の貴重な数少ない、世界に誇れる輸出資源ともなっています。

ヨウ素の用途別需要

世界のヨウ素生産量が10,000トンを超えたのは1973年のことで、1995年に15,000トンを超え、現在では20,000トンを超えています。この30年で2倍に増加したことから、近年の旺盛な需要がわかります。

2004年の世界のヨウ素需要内訳を見ると、多い順に、血管造影剤23%、ヨードホール等20%、工業薬品17%、有機化合物12%と続きます。以下、医薬品8%、動物試料栄養素8%、エレクトロニクス3%、その他9%となっており、さまざまな用途で使われています。

ヨウ素需要に対する供給体制には制約があり、さらに環境や経済問題から、無害化処理やヨウ素の回収・リサイクルの要請が強くなってきました。既に日本ではヨウ素生産量の約15%が回収されたヨウ素になっています。

ヨウ素の歴史

ハロゲン族で塩素に次いで発見されたのは、ヨウ素であって、このものはパリの硝石作りの職人であるCourtois(1811)によって、海藻灰から作られたソーダの中から発見され、フランスの化学者Gay Lussac(1813)により、その蒸気の色にちなんでIodeと命名されました。

Gay Lussacにより命名された翌年(1814)フランスで世界で初めてヨウ素の工業的生産が開始されました。これに遅れること約74年(1888)東京深川で日本最初の工業的生産が開始されました。世界で初めてかつ日本最初のヨウ素の製造方法は、海藻灰による方法であり、現在のヨウ素製造方法とは、かけ離れた方法でした。

さらに遅れること約47年、昭和10年(1935) 日本で初めて当社が工業的に地下かん水よりのヨウ素製造工場(旧上瀑工場・千葉県大多喜町)が操業を開始しました。

そしてさらに、その後も継続して製造方法の改善改良をはかり、現在のブローアウト法に全面切り替えが完了したのは、昭和49年(1974)でした。その後は、限られた資源のヨウ素開発を日本だけにとどまらず、世界にも目を向けアメリカ大陸にも進出し、工場建設及び操業開始に努めました。

また近年では、1996年に国際品質保証規格ISO9002を取得(2002年1月にISO9000:2000へ移行し)さらなる努力と発展に努めております。

 この様に当社では、日本がまだ化学工業の黎明期にあった時代より一貫してヨウ素生産技術と品質向上に努め、時代に対応した生産方法に転換を図りながら、世界中のお客様に満足いただける製品をお届けして参りました。おかげさまで現在では、当社千葉事業所はヨウ素生産単一工場として、日本第一位の生産能力を得るまでになりました。

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